『サイレントトーキョー』日本最先端のCG技術…?これが邦画の限界だとすれば悲しい…
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役者が豪華で期待していた作品だったので、少しガッカリしました…今年の邦画の中では最も大作感があったのですが…35点
『サイレントトーキョー』あらすじ
クリスマスイブに東京のとあるテレビ局に恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話がかかってきた。疑いながらも社員と契約社員の2人が中継する為に現場に向かうと、そこには爆弾犯に命じられて行動する主婦が待っていた。そして、主婦と契約社員は爆弾犯の命令により、さらなる犯行に巻き込まれていく…。
『サイレントトーキョー』スタッフ・キャスト
監督:波多野貴文
原作:秦建日子
脚本:山浦雅大
朝比奈仁:佐藤浩市
山口アイコ:石田ゆり子
世田志乃夫:西島秀俊
須永基樹:中村倫也
高梨真奈美:広瀬アリス
来栖公太:井之脇海
泉大輝:勝地涼
『サイレントトーキョー』感想(ネタバレあり)と評価
他作品を劇場で鑑賞した際に予告編を観て作品の雰囲気が気に入っていたので鑑賞したのですが、正直イマイチな作品でした。
まず、今作で最も注目されている渋谷が爆破される様子をフルCGを活用して表現されたシーンは、映像技術的な面では最先端で凄いなとも思いましたが、ハリウッド大作と比較すると粗が目立ってしまっていました。さらに、爆破シーンをスローモーションで演出する事で被害の甚大さを描こうとしたのかと思いますが、その演出が何だかバラエティー番組のCGを活用した再現VTRの様に見えてしまい、映像が安っぽくなってしまっていて残念なシーンとなっておりました。
※ただ、その一方で爆弾予告をされているにも関わらず渋谷に集まりハロウィンの時の様にお祭り騒ぎする人々の描写はリアルだなと感じました。
また、CG技術だけではなくストーリーにも違和感がありました。真の首謀者である山口アイコ(石田ゆり子)の「戦争」の悲惨さを日本国民に知らせたたいという動機はまだ理解出来たのですが、朝比奈仁(佐藤浩市)の動機がイマイチ分からず…少しモヤモヤとしました。
さらに、ストーリーの中心人物であり世田志乃夫(西島秀俊)が有能な刑事という役どころなのですが、基本的に全て後手に回っいるか若しくは、自身で調べずとも情報提供者が現れて決定的な事件解決のきっかけをくれるという…基本は運で解決して行ってしまうので、もう少し事件を紐解いて行く様な描写が合っても良いなと思いました。
※主要キャストがかなり豪華な作品なので、もう少し役者同士の演技のかけ合いで生まれる緊張感が欲しかった…
さらに所々、印象的なメッセージをセリフでは無く文字で伝えるといった演出がされていたのですが、何だかそのシーンがある事で全体を通してテンポが悪くなっている様にも感じたので、もう少し上手く演出をして欲しかったなと感じました。
私的な結論としましては、本作はドラマとしての方が輝きそうな作品だと思いました。映画ですと登場人物に感情移入が全く出来ずサスペンス作品で重要な緊張感も無いまま終わってしまうので、もう少し主要キャストの過去などを深堀した方が面白い作品になるのでは無いかと思っております。取り敢えず時間があれば原作を読んでみようと思います。