『スパイの妻』主要キャストが役にハマり過ぎ!!!
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主要キャストの役のハマり具合が抜群。黒沢清監督の映画愛を感じられました。80点
『 スパイの妻』あらすじ
貿易会社を経営する優作(高橋一生)は妻の聡子(蒼井優)と幸せに暮らしていた。しかし、優作は貿易で満洲に渡り恐ろしい国家機密を知る事になる。正義のために一連の出来事を明るみに出そうとした彼は、反逆者とみなされてしまう。優作の妻の聡子(蒼井優)は反逆者と疑いの目で見られる夫を信じ、スパイの妻とそしりを受けても、愛する夫と手に手を取って生きていこうと決意する。
『 スパイの妻』キャスト
『 スパイの妻』感想と評価
黒沢清監督の作品という事とベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した作品という事で鑑賞したのですが、作品を通して先を読ませないサスペンス要素が散りばめられていて見応えある作品でした。
そんな中で今作の特徴として最も際立っていたのが主要キャスト(高橋一生、蒼井優、東出昌大)の絶妙なキャスティングと演技です。まず貿易会社の社長(優作)を演じた高橋一生ですが、彼にはどこか育ちの良さを感じさせる雰囲気があるので…今作の役どころにもマッチしており、さらにミステリアスな雰囲気を持つ優作を高い演技力で演じているので、そんな彼の演技に一気に映画の世界に惹きこまれてしまいました。
次に優作の妻(聡子)を演じた蒼井優ですが、蒼井優もどこかお嬢様的な雰囲気を持つ人だなと思っていたので、今作のどこか浮世離れしたお嬢様的な社長夫人の聡子は適役だなと登場した瞬間に感じました。また、今作の聡子は芯の強さもある役どころではあるので、その強さを感じさせるシーンのスイッチが入った蒼井優の演技は素晴らしかったです。
※そう言えば2人はロマンスドールでも夫婦役を演じてましたね。
そして、もう一人役のハマり具合に感動したのが東出昌大です。正直、鑑賞前は例のニュースで崖っぷちな俳優のイメージしか無かったのですが…今作での生真面目で純朴しかし、若干サイコパスな軍人の津森をまるで、役が憑依している様に二面性がある役を怪演しておりました。丁度、この撮影の時が彼にとって一番、追い込まれていた時期だったせいか鬼気迫る物を感じました…※勝手な推測ですが。
今作の出来は、ベネチア国際映画祭で評価されている様に黒沢節全開の素晴らしい作品ですが、同時に役者達の役のハマり具合&演技が楽しい作品なので、そこに注目して観ても面白いと思います。